ソロモン諸島マライタ島に産するパイロキシナイト捕獲岩(ざくろ石単斜輝石岩、 ざくろ石斜方輝石岩)のRe-Os同位体組成から、海洋マントルに存在するリサイクル地殻成分のOs同位体比異常について考察した。その結果、187Os/188Os比が5に達するパイロキシナイトが海洋マントルに残存していることが判明した。このことは、Osのマントル内での移動度は他の親石元素に比べて非常に低く、リサイクル地殻の痕跡を沈み込み時のプロセスやマントルの撹拌・対流の効果で均質化させることは非常に困難であることを示唆している。