本研究では,2001年と2002年にJAMSTECハワイ潜航でハワイ島西方海底から採取されたフアラライ火山盾状期溶岩について,Hf, Pb, Nd, Sr同位体組成,および微量元素組成分析の結果を報告する.ハワイ火山において盾状期(主山体期)に噴出されるソレアイト溶岩は,火山体の体積の95-98%を占めるとされ,ハワイプルームの構成成分や不均質性について最も本質的な情報を与えると考えられる.陸上部分のほとんどが後盾状期のアルカリ玄武岩に覆われているため,これまでほとんど得られていなかったフアラライ火山盾状期溶岩の地球化学データを補完し,火山間での特徴の違いや時間変化を追いかけることは,ハワイプルームの化学的構造の理解に重要である.