抄録
Gibeon鉄隕石中の宇宙線生成安定核種45Scを放射化学的中性子放射化分析法にて定量した.本研究では0.0064ppbまでの45Scを定量することができた.ブランク値は0.001ppb以下であると見積もられる.45Sc濃度は宇宙線生成核種4He濃度と高い相関があり,Gibeon以外の鉄隕石で観測されている相関とよく一致した.Gibeon鉄隕石では,希ガス同位体を用いて2つの異なる宇宙線照射年代が観測されている.照射年代の異なる破片を分析したが,4He濃度との相関に系統的な相違は見られなかった.よって,Gibeon隕石で観測される短い照射年代は希ガスの損失によるものではないと結論できる.