抄録
2008年夏季の白鳳丸航海KH-08-02において得られた西部北太平洋亜寒帯域の表層水中(0-10 m)のNO3-についてD17O組成を実測し、大気沈着NO3-の表層水中のNO3-に占める割合を定量した。定量したD17O値をもとに、西部北太平洋亜寒帯域における表層水中の全NO3-に占める大気NO3-の寄与率を定量したところ、1-2%程度と見積もられた。求めた比率は15NラベルしたNO3-を用いて得られた北太平洋亜寒帯域における新生産量の文献値とエアロゾル観測から得られた窒素沈着量の文献値を比較して求められる比率と矛盾ない結果である。