抄録
河川を通じた工場からの汚濁物質などの排出に対しては、総量規制により強く規制されている。しかし、大阪湾をはじめとする閉鎖性の内湾域では、富栄養化に伴う赤潮の発生などの水質汚濁が深刻な問題となっている。この水質汚濁には堆積物も関与していると考えられるが、内湾域における堆積物と間隙水・海水との化学元素の収支に関しては明らかになっていない。本研究は、1) 大阪湾における金属元素を含んだ懸濁物質の移動経路 2) 堆積物と間隙水の間の元素分配を明らかにすることを目的としている。今回の発表では、堆積物に含まれる主成分・微量成分元素の測定結果から、大阪湾堆積物の化学的な特徴や移動経路を考察した。