日本地球化学会年会要旨集
2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
セッションID: 2E04 03-04
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宇宙地球有機物とアストロバイオロジー
宇宙空間の円偏光およびスピン偏極電子放射と生命ホモキラリティ起源
*高橋 淳一
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抄録

炭素質隕石や彗星中に多様な有機物が検出されており,これらの有機物と地球上生命体におけるホモキラリティ(L-アミノ酸,D-糖優位)起源との関連が議論されている。そのシナリオとして,分子雲中の星間塵上で無生物的に生成された有機物に,宇宙空間に存在する円偏光光子,スピン偏極電子などの不斉エネルギーが作用し不斉反応が誘起されたとする仮説が提唱されている。この仮説を検証する目的で,星間物質表面で無生物生成された有機物を模した系として,ラセミックなアミノ酸薄膜を固体基板上に堆積し,この表面に宇宙環境の不斉エネルギー源を模した純粋円偏光光子線,あるいはベータ線に代表されるスピン偏極電子線を照射することにより,薄膜に光学活性を発現させる実験を行っている。講演では、実際の宇宙環境での不斉エネルギー源の観測結果をふまえて,これらが誘起する不斉反応機構の概要を解説するとともに,現在進行中の不斉発現実験の現状を報告する。

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© 2010 日本地球化学会
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