抄録
近年、異分野の観測ネットワークがカバーする観測項目の重複が増えてきたことから、観測ネットワーク間でデータを相互利用したり、観測サイト維持の面で協力することによって得られる相互支援効果が急速に高まってきた。異分野のネットワークを意識的に重ねることにより、分野横断的な観測を実施できる観測サイトを増やし、それらを空間的に適切に配置することによって、既存の観測機能を最も省力的な手段によって最大限に生かすことが可能になる。
熱・水・CO2フラックス長期観測サイトにおいて国内外の研究機関と協力して行っている温室効果気体及び反応性気体の交換量やそれに関係する物質循環の観測と、その結果を解釈するための各種生態系機能に関する観測の結果を紹介する。また、国内及びアジアにおける分野間連携の取組、総合的な観測を実施することのできるサイトを共同利用するための取組について議論する。