原子力発電環境整備機構(NUMO)は,地層処分事業を推進するにあたって基本としてきた安全確保を中心とした取り組み方針・方策(安全確保構想)とそれを支える地層処分技術の信頼性の更なる向上について示す2010年技術レポート(仮称)を,2010年度末の完成を目途に取りまとめている。そのうち,安全確保構想については,2010年4月に「安全確保構想2009」として先行して公表した。2010年技術レポートは,「安全確保構想2009」の内容を更に拡充させた事業編と,地層処分技術の信頼性の更なる向上と事業の展開に必要な技術の整備状況を取りまとめた技術編から構成される。
本報告では,2010年技術レポートの全体概要について紹介するとともに,その中で述べられているセーフティケース(安全性を立証するための証拠や論拠の統合)の考え方,研究開発分野間の連携・統合,基盤研究開発へのニーズなどの観点から,地球化学に関連する研究開発への期待について述べる。