抄録
黒部扇状地は富山県東部に位置し、日本を代表する臨海扇状地である。扇状地における地下水調査は、1970年代から90年代にかけて水文学的手法や地球化学的手法により多く行われており、地下水に占める河川浸透水の割合や滞留時間が見積もられた。しかし、その後、気候変化や水利用事情により地下水の水位やポテンシャルの低下が観測されており、新たな調査が必要と考えた。本研究は、地下水の年代トレーサーとして注目されているSF6(六フッ化硫黄)を用いて黒部扇状地地下水の滞留時間推定を行い、地下水の流動速度や流動状況について検討した。