日本地球化学会年会要旨集
2011年度日本地球化学会第58回年会講演要旨集
セッションID: 2P16
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セッション10 地球化学と生理学の融合:生体プロセスの研究から地球化学へ
ハプト藻における長鎖アルケノン生合成の研究:地球化学的視点から
*中村 英人沢田 健加納 千紗都白岩 善博鈴木 石根
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抄録
Emiliania Huxleyi をはじめハプト藻綱イソクリシス目に属する4種の微細藻類は炭素数37-40からなる長鎖不飽和アルキルケトン(アルケノン)を合成し,その不飽和比が生育温度に規定されるためアルケノン不飽和指数(UK37 , UK’ 37)が設定され,古海洋・古気候研究において古水温指標として応用されている。アルケノン組成や水素安定同位体比を用いた塩分指標も提案されている。地球化学的指標としての応用が進む一方で,アルケノンの合成経路や生理学的機能についてはかなりの部分が未解明であり,現在,生合成経路の解明にむけた植物生理・分子生物学的研究が始まろうとしている。本講演では,アルケノンの生理学的研究のこれまでと,生合成の解明に期待される地球化学的視点について述べ,予察的成果を報告する。
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© 2011 日本地球化学会
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