抄録
セレン(Se)は生態必須元素であり、生物にとって重要な微量元素である。Seの溶解性、易動性、生物利用性や毒性はその化学形態に強く依存する。本研究では中国、Enshi地域のSe汚染土壌中のSeの化学形態を、段階抽出実験(F1: water soluble (MQ water), F2: ligand exchangeable (P-buffer), F3: organic matter (NaOH), F4: elemental (NaSO3), F5: acid soluble (CH3COOH), F6: sulfide (CrCl2), F7: residue (HNO3+HF+H2O2)とXAFSを用いて測定し、より詳細な生物利用性や他の地球化学的挙動の解明を行った。測定の結果、Seは有機物中に多く存在し、その多くが4価として存在することが明らかになった。