抄録
北海道の大気エアロゾルは,道内で放出された化学物質だけでなく,大陸や海洋から飛来した化学物質も含んでおり,北海道は大陸から北太平洋やオホーツク海への物質輸送の通過点としても重要な場所である。北海道において年間を通じて大気エアロゾルのモニタリングを行うことは,極東大気の南下,大陸からの黄砂や人為起源物質の飛来など,世界の気候変動に影響を及ぼす現象を季節的に議論できる点にある。本研究は北海道において環境の異なる2つの観測点で,2008年~2010年に採取した大気エアロゾル中の微量金属元素の経年および季節変動について考察する。