抄録
日本の土壌は福島原発事故により広範に放射性物質により汚染された。しかし1960年代の大気核実験や1986年のチェルノブイリ原発事故により放出された放射性元素の137Csは表層から3~5cmの深さで極大濃度となり、ほとんどの137Csが表層30cm以内に含まれていた。これは枯葉に含まれていた137Csが葉の分解とともに腐植物質に取り込まれ、腐植物質の分解に伴い根から吸収されていたと考えられる。ここでは東日本の土壌に含まれていた福島原発事故以前の137Csの土壌中の分布と、その特徴を示し、事故後の特徴を検討する。福島原発事故後の東日本各地の表層土壌を採取し、土壌中の131I,137Cs,134Csなどをγ線スペクトロメータにて測定した。福島原発から採取地点までの距離と土壌中の137Cs含有量の関係を図に示した。 福島原発事故後の土壌中の放射性物質のBq数の対数値と距離の関係は、2本の直線にのっている。137Csが1000Bq/kg前後に汚染されている地域は非常に広範にわたっている。これらの地域での福島原発事故以前の影響評価についても議論する。