抄録
本研究の目的は、バライト中のセレン(Se)の化学種から、バライトが沈殿した熱水や海水の酸化還元(redox)状態を復元する手法を開発することである。Seのバライトへの取り込みが溶液中のセレン酸(SeVI)と亜セレン酸(SeIV)の比率によりどう異なるかを理解するため、pH8の海水条件及びpH4の熱水条件で実験を行い、Seの固液分配比及びSeの価数比の変動を明らかにした。pH8とpH4のどちらの条件でも、溶液中のSeVI/SeIV比に対応したバライトへのSeIVとSeVIの取り込みが見られた。このことから、バライト中のSeの価数比を用いることで酸化還元環境が復元できることが明らかとなった。更に詳細なredoxに対する応答を調べるために、固相中のセレンの価数比から沈殿時の溶液中のEhを推定する検量線を作成した。詳しい結果については、講演で紹介する。