日本地球化学会年会要旨集
2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
セッションID: 2C09
会議情報

特別セッション(S6 地球化学と生理学・生化学:生理学的知見からみる地球化学)
アミノ酸窒素同位体比によるバイカル湖生態系の解析
*小川 奈々子力石 嘉人和田 英太郎大河内 直彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
アミノ酸窒素同位体比による生態系解析手法では、生物による窒素代謝におけるフェニルアラニンとグルタミン酸の窒素安定同位体比の挙動の差から各生物の栄養段階を推定する。本研究ではシベリアに位置する巨大な古代湖であり、数多くの固有種が存在するバイカル湖沖帯生態系生物について、アミノ酸窒素安定同位体比による食物網解析手法を応用し、アミノ酸窒素安定同位体比分布と生態系構造についての解析した。各沖帯生物の栄養段階は、一次生産者の珪藻が1.0、動物プランクトンのコペポーダが2.0、端脚類が2.2を示し、これらを捕食するコレゴヌス科の魚は3.3~3.8を示した。魚食魚の浮遊性カジカ類は4.2~4.4であった。バイカルアザラシは5.0となり最高次の捕食者であることが示された。個々のアミノ酸窒素安定同位体比分布からは、湖内の環境変動が大きいことも推察され、本手法の環境動態変動に対する解析ツールとしての有用性が示唆された。
著者関連情報
© 2012 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top