抄録
生物に含まれるアミノ酸には,食物連鎖に伴い15Nが濃縮するもの(グルタミン酸など)と,食物連鎖の影響を受けずに同位体比が変化しないもの(フェニルアラニンなど)が存在する。すなわち,両者の同位体比を比較することで,その生物の栄養段階を見積もることができ,また,得られた同位体比や15N濃縮率の程度からは,その生物が属する食物連鎖網のベースにある生物の同位体比(の積算値)や,生体内でのアミノ酸代謝とエネルギー獲得方法の多様性などについての多くの情報を得ることができる。本研究では,共生生物-ホストの関係が一般的な捕食-被食の関係と比べてどのようなエネルギー獲得形態にあるのか(同じなのか異なるのか)に焦点をあて,これまでに得られた研究結果から代表的なものを紹介する。