抄録
東アジアの中緯度域には、タクラマカン砂漠をはじめとする砂砂漠が数多く点在し、モンゴル南部を中心とした広大な地域にはゴビ(礫砂漠)が広がる。こうした乾燥域から毎年春に巻き上げられる風成塵は、我々の健康に与える被害や大気・海洋環境に与える影響が注目されている。一方、堆積物に含まれる風成塵は、過去の大気循環の変動を読み解く上での重要な記録媒体になっている。健康被害にしても古気候研究にしても風成塵の輸送メカニズムを明らかにする事が重要であり、そのためには、風成塵が東アジアのどこから運ばれて来るのか、その供給源を突き止めることが不可欠である。筆者はこれまで、風成塵の主要構成鉱物である石英の結晶学的特徴を用いて、堆積物中に含まれる風成塵を抽出し、さらにその供給源を推定する方法を確立してきた。またその方法を応用して、過去の東アジアにおける大気循環変動の復元を行った。