日本地球化学会年会要旨集
2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
セッションID: 2D13
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G2 古気候・古環境解析の地球化学
海藻試料を用いた北海道及び北東北地域の放射性炭素海洋リザーバー効果地域補正値-海流の影響の検証-
*宮入 陽介横山 祐典松崎 浩之
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抄録
大気中の14C濃度は大気循環により、非常に短時間で均質化されているが、大きな炭素リザーバーであり大気との炭素の交換速度が遅い海洋では放射壊変による14C濃度の減少の影響がみられる。海洋表層の平均値で400年という見かけ上の14C年代値が生じている。これは14C年代の海洋リザーバー効果と呼ばれている。この400年という値は海域によってはかならずしも一定しないことが先行研究によって明らかになっており、海産物の14C年代測定を行う際の海洋リザーバー効果の補正にはその地域差(ローカル海洋リザーバー効果)も考慮する必要がある。本研究では北海道大学総合博物館所蔵の海藻標本を用いて北海道周辺の海洋リザーバー効果の復元を試みた。その結果、北海道から北東北の千島海流の影響を強く受ける地域では、海洋リザーバー補正値が地域ごとに大きく違うことが明らかになった。北海道及び北東北地域の放射性炭素年代測定を高精度化する上では試料採取地近傍の海洋リザーバ地域補正値を用いて年代補正をする事が必要となる。
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© 2012 日本地球化学会
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