主催: 日本地球化学会年会要旨集
カリフォルニア沖堆積物コア(ODP Leg 167, Hole 1017E)における炭化水素化合物の分析を行った。検出された主要な化合物は、アルカン、高分枝炭化水素(HBI)、ホパン類などであった。なかでもホパン類の組成は、現世堆積物で見いだされる組成と異なり、続成変化の進んだ熟成した組成を示した。これら熟成したホパン類の深度分布は、急激な気温上昇が起こった約1万5千年前に高い濃度を示した。この時代は、最終氷期に大規模化したカリフォルニア地域の高山氷河(タイオガ氷河)が融解した時代と一致する。したがって、これらホパン類の増加は、融解水がカリフォルニアの海岸線域に存在する石油生成帯を含むモントレー層を浸食した結果、増加したことを示唆している。