主催: 日本地球化学会年会要旨集
ヨウ素は存在する環境の酸化的―還元的条件の違いでその化学形態を変化させることが知られている。一般的に海水中などの酸化的な環境ではIO3‐、地下水などの還元的な環境ではI‐が支配的であることが知られている。しかし、同様に還元的な環境である堆積物間隙水や海底熱水ではI‐が支配的であると推測されるがあまり研究は行われていない。そのため、本研究では、HPLC-ICP-MSを用いてヨウ素の化学形態の分析方法を検討し、実際の試料へも応用した。 沖縄トラフ熱水が存在している伊是名海穴JADEサイトの海水(水深30~1400m)においての結果では、I‐濃度が0.3~0.4μM程度であり、 IO3‐濃度が0.05~0.1μM程度であった。一般的な海水ではIO3-が支配的であることが知られているが、本研究ではI-が支配的であるという結果となった。これは還元的な熱水の影響を受けているためではないかと考えられる。