抄録
サンゴの生体内の情報を変数として含んだモデル(サンゴ内部モデル)に炭素安定同位体のマスバランスモデルを組み込むことで、サンゴ骨格に記録される炭素安定同位体比を再現するモデルを構築した。本研究で構築した内部モデルでは、サンゴの周囲の海水、腔腸内、石灰化母液のDICやTA、貯蔵される有機物、炭素同位体のマスバランスを、物質移動や光合成、呼吸、石灰化、Ca-ATPaseによる能動輸送 (trans-calcificationメカニズム) などによるフラックスから計算することでモデル化を行っている。モデルのシミュレーションの結果、サンゴの内部の炭酸系の動態はこのモデルで良く再現できていることが確認された。また、シミュレーションによって見積もられたサンゴ骨格の炭素同位体比は、昼の光合成や夜の呼吸などの影響を受けて非常に大きく日周変動することが認められた。