抄録
Esthervilleメソシデライト中で見つかった大きなジルコン(>100μm)について,反射電子像,カソードルミネッセンス(CL)像の撮像,顕微ラマン分光法による結晶度の評価,そして高感度高分解能イオンマイクロプローブを用いた希土類元素定量分析およびU-Pb年代分析を行った.反射電子像,CL像,ラマンスペクトルはいずれも粒子内に部分的にUやREEが濃集している領域が存在することを示している. 207Pb-206Pb年代は4520±27 Maであった.この形成年代はこれまでに報告されているメソシデライト中のジルコンの207Pb-206Pb年代(4563±15 Ma)と比較して有意に若い.従って,メソシデライト中にはメタルとシリケイトの混合時に形成もしくは過成長を起こしたジルコンが存在すると考えられる.