抄録
東伊豆単成火山群は伊豆半島東部に分布する70個以上の火山体から構成される独立単成火山群である. 岩ノ山―伊雄山火山列は当該地域陸域の中で最も新しい活動とされており,また同時間面での活動にも関わらず玄武岩質安山岩からデイサイトまでの幅広い組成を示している.本研究では岩ノ山-伊雄山火山列を形成する各火山に対して,詳細な記載と斑晶鉱物化学組成分析及び全岩主要・微量元素分析,Sr同位体分析をおこない各火山体のマグマ形成過程及び組成多様性をもたらす要因について考察した.
その結果デイサイトの成因に組成の異なるマグマの混合が関与した可能性が示唆された.また矢筈山試料中に確認できたデイサイトと安山岩のミングリング組織やバイモーダルな全岩化学組成,Sr同位体分析の結果から矢筈山では他の溶岩ドームと比べマグマ混合の程度が異なる可能性が考えられる.