抄録
原子力発電により発生した高レベル放射性廃棄物を長期に渡って隔離する方法として、我が国では地層処分を選択している。地層処分では地下深部に埋設した廃棄体から放射能を持つAm、Cm等のマイナーアクチノイド(MA)が天然環境中へ移動した場合にも、十分に長い時間をかけて地下水とともに移動するため、生活圏に到達するまでには放射能が十分に低減すると考えられている。そのため、地下水の主要な水みちとなる断層でのMAの移動挙動を明らかにすることは地層処分の安全性を評価する上で重要である。本研究では、地下深部、特に断層でのMAの挙動を把握することを目的として、MAと化学的性質が類似しているランタノイド(Ln:57Laから71Lu)に加え、Th、Uをアナログ元素として、断層での各元素の存在形態を把握することを試みた。