抄録
本研究ではW同位体分析の高感度化をめざし、ETV-MC-ICPMS法の開発をおこなった。Nixon et al. (1974) によるETV法の開発以来、試料の蒸発はArガス下で行なうのが一般的であったが、本研究ではより熱伝導性の高いHeガスをガラスチャンバー内に導入した。その結果、Arガス下ではノイズの入った不安定な信号であったのに対し、Heガス下ではスムーズで安定したWの信号が得られることがわかった。また、本研究で開発したETV-MC-ICPMS法では、∼10 ngのW試料から±0.5ε(2SE, n=5)で182W/184W比を得ることができた。この結果は、Heガスを用いたETV-MC-ICPMS法が高感度W同位体分析に適した分析手法であることを示しているといえる。