抄録
近年、様々な隕石に同位体異常が見つかっているが、隕石に含まれる耐酸性のプレソーラー粒子が同位体異常の一因である可能性が示唆されている。多くのプレソーラー粒子は耐酸性であり、太陽系平均と大きく異なる同位体組成を持つため、隕石を分解する際プレソーラー粒子の不完全溶融が生じると、たとえ微量でも誤った同位体組成を与えてしまう。本研究では難溶性プレソーラー粒子を高圧分解システムを用いて完全分解する新しい手法を開発した。試料にHNO3, HF, H2SO4の混酸を加え、250℃まで加熱すると、難溶性のSiCを分解できることが分かった。本手法を評価するため、プレソーラー粒子を含む炭素質コンドライトの分解を試みた。隕石の繰り返し分析の再現性は標準試料の繰り返し分析と同程度であり、本手法によりプレソーラー粒子が効果的に分解されたことを示唆する。