主催: 日本地球化学会年会要旨集
希ガス同位体組成からは様々な年代や物質の起源や形成・進化過程に関する情報を得ることが出来るが、岩石試料中に含まれる希ガス濃度は極めて低い。九州大学では全希ガス元素を最も高感度に分析するために、Kr-Xe専用のRIMS(共鳴イオン化質量分析計)と従来型質量分析計を連結した超高感度希ガス同位体分析システムを構築中である。これにより、1つの微小試料からでもHe-Ar同位体組成から太陽風暴露期間、宇宙線照射年代、K-Ar年代などを、Kr-Xe同位体組成からはKr-Kr照射年代、I-Xe年代、Pu-Xe年代などを同時に求めることが可能になる。試料量の限られた探査機リターンサンプルや隕石中の特定のインクルージョンやクラスト、宇宙塵などの分析には非常に有用になると期待される。