日本地球化学会年会要旨集
2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
セッションID: 3B08
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G18 原発事故で放出された放射性核種の環境動態
東電福島第一原子力発電所事故で海洋に放出された核分裂生成物および中性子放射化生成物の挙動
*青山 道夫浜島 靖典芳村 毅本多 牧生喜多村 稔Mikael Hult
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抄録

東電福島第一原子力発電所から環境中に放出された核分裂生成物(90Sr, 134Cs, 137Cs, 125Sb, 144Ce, 110mAg)及び中性子放射化生成物(54Mn, 60Co)について、海水中及び動物プランクトン中の放射能の分析を行った結果を、137Csに対する放射能比として既報の土壌、海底堆積物、高崎での大気浮遊塵、炉心総量及び滞留水における137Csに対する放射能比と比較検討を行っている。海水からは110mAgは検出されなかったが、大気浮遊塵、動物プランクトン及び海底堆積物、土壌からは検出されている。それに対し、125Sb, 144Ce, 54Mn及び60Coは海水及び土壌から検出されているが、動物プランクトンや海底堆積物からの検出の報告はない。これらは化学分離を行ったかどうかにも依存するが、個々の核種の放出過程及びその後の環境中での挙動によってその存在量が規定されていることを示している。

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© 2013 日本地球化学会
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