抄録
地質調査総合センター(つくば)において、福島原発事故後の2011年3月末からエアロゾル中の放射性核種の観測を行っている。2012年の濃度変化は、4月中旬あたりからそれまでの約半分のレベルに低下し、その後も何度か高濃度が観測され、9月末から10月にかけて濃度が一時的に高く、その後10月中旬からは以前よりも幾分低下している傾向がみられた。4月以降は北よりの風より南よりの風が多くなり、降雨が多い気候になっていることから、4月以降の濃度低下は原発を経由した空気塊の到来が少なく、また降雨の影響で空気中濃度が低濃度となったためと推定された。何度か観測された高濃度は、南よりの強風が多いことから、強風による近傍からの再飛散が一つの原因であった可能性が高いと推定された。