抄録
堆積岩中の有機物の大部分は、生体由来の、酸・塩基・有機溶媒に不溶の巨大分子であるケロジェンであり、化石燃料資源や過去の環境・気候の復元、古生物学に関連する研究において重要な情報源となっている。従来、ケロジェンの地球化学分析においては、熱分解分析(pyrolysis)が広く用いられてきたが、近年では誘導体化試薬を添加し加熱することで、瞬時に加水分解と誘導体化を行う熱化学分解分析(Thermochemolysis)が注目され、応用されつつある。しかし、ケロジェンのような複雑な巨大分子の熱化学分解分析の明確な手法が確立していない。本研究では、タイプの異なるいくつかのケロジェンにおいて、3種類の誘導体化試料を用いて、それぞれの加熱温度・時間などの分析条件が与える反応効率への影響を検証した。そして、ケロジェンの熱化学分解分析の最適条件を提示する。