日本地球化学会年会要旨集
2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
セッションID: 1B12
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G12 水圏環境化学
湛水期・落水期の水田土壌の気相率が溶存ヒ素およびカドミウム濃度に与える影響
*中村 乾加藤 英孝鈴木 克拓本間 利光
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抄録
水田土壌は湛水期には有機物分解により還元状態が発達しやすく,落水時には酸素侵入により酸化的状態に移行する。土壌中の酸素拡散は気相率に依存するため,水田土壌の酸化還元状態やAs・Cdの可溶化・不溶化も気相率の支配を受けると予想される。ここでは,水田圃場から土壌試料を採取し,溶存AsおよびCd濃度と気相率の関係を明らかにしようとした。溶存As濃度と気相率の関係には閾値気相率が存在し,溶存As濃度が高かったのは,気相率が0.03-0.10 m3 m-3未満の試料に限られた。一方,溶存Cd濃度は気相率との間に正の直線的関係があった。このことは,水田土壌中の溶存As濃度とCd濃度は必ずしも相補的関係になく,気相率がAs不溶化の閾値よりやや高い試料では,両者がともに低い傾向があった。これらの結果は,適切な水管理により気相率をAs不溶化の閾値よりやや高めに保てば,水田土壌中の溶存AsおよびCd濃度を同時に低レベルに抑えられることを示唆する。
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© 2013 日本地球化学会
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