抄録
Nagao et al. (2011) によるはやぶさ試料の希ガス同位体分析は太陽風照射とそれに伴う太陽風起源He/Ne間の分別を明らかにした.しかし,希ガス分析は粒子一粒ごとの結果でありSTEM観察との直接比較を行うには希ガス分析事前にSTEM観察を行うなど,分析方法の工夫が必要である.そこで,我々が開発したポストイオン化二次イオン質量分析装置LIMAS(Laser Ionization Mass Nanoscope)を用いることで,希ガス同位体分析を数十nmスケールの空間分解能で行うことが可能となり得る.本発表では新しい局所希ガス同位体分析手法をもとに,イトカワ表層での太陽風照射の履歴に関して期待される結果について述べる.