抄録
244Puは半減期82Maの消滅核種で、太陽系形成時に存在していたことは理論研究や隕石内に見られる244Pu核分裂起源Xeや核分裂飛跡から明らかとなっている。244Puは近隣の重元素と同様に超新星爆発におけるr-processにより生成され、それらの存在度を知ることは元素合成モデルや太陽系固体物質形成時期の制約に非常に有用である。本研究ではAllende隕石(CV3コンドライト)のコンドルールについて、希ガス同位体分析をもとに244Pu量および244Pu/U比を求めた。244Pu/Uとして0.014+/-0.004(10分析の平均)が得られ、この値から元素合成モデルがどのように制約されるか考察する。