抄録
太陽系の起源と進化を明らかにする上で、ウラン放射壊変系を利用した隕石の局所U-Pb年代分析は重要である。大阪大学に設置されている超高感度極微量質量分析システムは、Ga-FIB装置、多重周回飛行時間型質量分析計”MULTUM”、フェムト秒レーザーからなる非共鳴型Laser SNMSである。本研究は、数十nmの領域における局所年代測定を行うことを目的とし、同システムによるPb同位体比およびU同位体比測定法の確立を目指す。
Pb板を試料として、ポストイオン化、MULTUM周回の性能を評価した。一次イオンビーム径はおよそ2 μmであった。ポストイオン化の効果により、二次イオンシグナル強度は最大でおよそ60倍に増加した。また、直線モード(飛行距離:0.8 m)での質量分解能m/Δmは350(FWHM)に対し、MULTUMにより二次イオンを7周回させた場合(飛行距離:9.9 m)質量分解能は2100まで向上した。