抄録
近年、地球上のさまざまな極限環境にも生物活動が知られるようになった。アミノ酸は主要な生体分子であり、地球上の生物活動の評価にアミノ酸濃度を用いる可能性が考えられる。本研究では、地球極限環境の土壌試料として世界でもっとも乾燥しているとされる南米チリのアタカマ砂漠土壌のアミノ酸分析を行い、アミノ酸分析が極限環境試料中の生命活動評価法として用いることができるか検討した。アタカマ砂漠土壌のアミノ酸濃度は、横浜国立大学土壌のアミノ酸濃度の1/750から1/70程度であり、アタカマ砂漠のような極限環境土壌中のアミノ酸濃度が極めて低いことが確認できた。アタカマ砂漠土壌試料間では、降水量が少なくてより乾燥している地点ほどアミノ酸濃度が低くなった。細菌数や酵素(ホスファターゼ)活性値でも同様の傾向がみられ、生物活動の評価にアミノ酸濃度が使用し得ることが示された。