抄録
FeはAsに対し高い吸着能を持ち、高効率にAsの共沈を起こすことが明らかになっている。また、国内の天然のAsは非汚染地域の土壌においても2~5 mg/kg存在し、低濃度ながらも環境中への溶出の可能性は大いにある。これらの知見から、本研究では都市域のような非汚染地域においても、Feが多く見られる地点では鉄共沈によって天然由来のAsが濃集していると推測し、検証を行った。土壌、水試料共にAsの基準値を超過する地点を確認した。特にFeの析出物を多く含む土壌試料には高濃度のAsを確認した。FeとAsに高い正の相関が見られたことから、Asに対するFeの吸着能が大きく起因していることが考えられ、環境中でFeが多く析出している地点において鉄共沈によりAsの濃集が起きる可能性があることが示唆された。