主催: 日本地球化学会年会要旨集
河床礫付着物は,シアノバクテリア,緑藻,珪藻等の付着藻類と,他のバクテリア,原生生物,そしてシルト・粘土等の混合物であり,その化学組成もそれぞれの画分が占める割合によって大きく影響を受け,かつそれぞれの画分の化学組成も河川の汚濁の程度等の環境要因によって変化する,極めて複雑な系である。この河床礫付着物を生物地球化学的な視点から系統的に解析するため、三重県中部を流れる櫛田川を対象として,ダムのある支流蓮川を含めその全域約30地点で河床礫付着物と河川水を採取し,付着物については炭素,窒素を含む主要・微量化学組成,炭素・窒素同位体組成,オパールシリカ量を,河川水については主要陽・陰イオン濃度,溶存シリカ濃度,鉄,マンガン,亜鉛濃度を蛍光X線分析法,ICP発光分光法,分光光度法等で測定した。その結果を報告する。