主催: 日本地球化学会年会要旨集
降水や地下水などの天水に含まれる硫酸エアロゾルは、雲の凝結核として働くことが知られており、対流圏の化学・物理過程を理解するうえで重要な物質である。硫酸エアロゾルの硫黄の安定同位体比(δ34S)は、起源ごとに特有の値を示すため、天水中のδ34S測定によりその起源を推定することができる。従来の測定法では、多量の試料からBaSO4を沈殿させ、フィルター等で回収して測定していた。本講演では、試料量の削減と簡易化を目的にして、スズ箔製のカップ中に直接BaSO4を蒸発乾固させる手法の検討と開発した手法を用いた降水試料の測定結果について報告する予定である。