日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 1P53
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G15 初期地球と生命起源の地球化学
玄武岩とコマチアイトの四種硫黄同位体比から制約する太古代海底下の微生物硫酸還元活動
*青山 慎之介上野 雄一郎
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抄録

微生物硫酸還元は地球史を通じて普遍的に行われてきた微生物代謝方法の1つである。一般に太古代で観測されるsulfate-sulfide間の硫黄同位体分別は最大でも20‰程度であり、現世で観測される分別と比較して小さい。しかし太古代の玄武岩・コマチアイトは大きな分別を示す可能性がある。また微生物活動の深度とアクティビティを制約することは、太古代当時の地下生物圏の下限深度を決めることに他ならない。本研究は西オーストラリア・ノースポール地域に産出する玄武岩6試料、コマチアイト2試料の計8試料から硫化鉱物の硫黄を抽出し、モデルを構築し観測結果を解析した。その結果、一部の硫化鉱物を説明するためには60‰以上の分別係数が必要であることがわかった。これらの結果は太古代海洋において初生的な硫化鉱物と硫酸濃度のマスバランスが見かけの同位体分別を支配していたことを示唆している。

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