抄録
天然多結晶ダイヤモンドであるカルボナドの成因には様々な仮説が提案されているが、議論に決着はついていない。カルボナドは多くの粒界を持つ多結晶体であるため、元々粒界に存在したダイヤモンドの結晶成長当時の情報は、二次的な変質などによって失われている可能性が高い。本研究では、中央アフリカ共和国産のカルボナドを試料とし、粒界の情報と生成当時の情報を保持していると考えられる粒内を区別してOs同位体組成を測定し、カルボナドの生成環境を考察した。粒界と粒内を区別するために、1段階目では粉砕した試料を用い、2段階目では1段階目の回収試料をグラファイト化した試料を用いてOs同位体組成を測定した。その結果、第1段階と第2段階、すなわち粒界と粒内のOs同位体比は有意に異なり、粒界は粒内に比べて高いOs同位体比をもち、粒界は地殻物質の影響を受けていることが明らかになった。