抄録
微生物由来の水酸化鉄は表層環境で広くみられる鉱物だが、これらが長年堆積した後の鉱物種変化や有機物分解については不明瞭な点が多い。そこで、本研究では微生物由来の水酸化鉄からなる堆積物を対象とし、微生物活動により堆積物中で生じる鉄・炭素の循環についてXAFS測定および16S rDNA解析から明らかにした。結果として、(i)堆積物中の有機物分解は上層では鉄還元菌および発酵菌が担うが、下層ではメタン生成菌が担うこと、(ii)有機物分解に関わる微生物が鉄還元菌からメタン生成菌へと変化する理由は、堆積物中に存在する水酸化鉄の周囲を二次鉱物であるシデライトが覆うことで、鉄の利用性が低下するためであることがわかった。