抄録
我々はKR13-02航海において南鳥島南方で採取したPC05堆積物コアのOs同位体比の分析を行い,その予察的な結果から,次の2点を明らかにした。(1) 高濃度レアアース泥の堆積は,Eocene-Oligocene境界と一致していること。(2) 高濃度層の前後にハイエタスが存在している可能性が高いこと。地質学的には,Eocene-Oligocene境界の時期には,タスマニア海峡,ドレーク海峡が開いたために,海水の循環が激しくなり,それに伴って海水の化学組成も変化,温暖気候から寒冷化への変化した時代である。また,海山では盛んにリン酸化が置きた時期でもある(Hyeong et al., 2013)。これら海洋環境の変化や海水組成の変化と,レアアース堆積物のレアアースが高濃度に濃集した時期との関係性を今後明らかにしていきたいと考えている。