抄録
本研究では,酸素同位体比変動を規定している降水の同位体比と気候変化の関係について詳細な解析を行い,酸素同位体比解釈の再考を行った.中部日本(太平洋沿岸地域)で行われたイベント毎の降水同位体比データと過去18年間東京で行われた月単位の降水同位体観測データを使って解析を行ったところ,中部日本における,夏期,および冬期の同位体比の年々変化は,降水量や気温の変化よりも,大気大循環場の変化に依存していることがわかり,夏期は小笠原高気圧の強弱、冬期は北東アジアモンスーンの変動を反映していることを明らかにした。