日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 3D05
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S1  北陸地方を中心とした大気水圏化学-高低差4000mの地球化学
Multilocus sequence typing (MLST)解析を用いた黄砂バイオエアロゾルの長距離輸送の検討
*河合 賢人牧 輝弥小林 文尚陳 彬石 廣玉青木 一真金 亮勲洪 天祥長谷川 浩岩坂 泰信
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抄録
近年、黄砂と共に風送される微生物群(黄砂バイオエアロゾル)が及ぼす人健康への影響が懸念されている。しかし、黄砂による微生物の長距離輸送を直接実証した研究は殆どない。そこで、黄砂時の大気粒子から細菌株を分離培養し、細菌株の飛来源をMLST(遺伝子多型解析)を用いて推定した。黄砂発生地(敦煌)及び飛来地(珠洲,金沢,立山)において採取したエアロゾル試料を,高塩分の液体培地に接種し、全177の環境ストレス耐性細菌株を分離培養した。全株の16S rDNA塩基配列を決定し、系統分類学的に解析すると、64株がバチルス属に属し、バチルス サブチリスと近縁となった。更に、本種と近縁な細菌株を株レベルで比較する為、5種のハウスキーピング遺伝子配列を解析した。結果、バチルス サブチリス群の中で、敦煌大気と立山及び金沢の黄砂粒子から得た株が、一つのクラスターを形成し、本菌株の黄砂による越境輸送が示唆された。
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© 2014 日本地球化学会
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