日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 3D04
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S1  北陸地方を中心とした大気水圏化学-高低差4000mの地球化学
立山積雪層より採取した黄砂エアロゾルによって増殖する大型珪藻類
*朝日 裕也牧 輝弥石川 輝青木 一真松永 智樹堀内 周長谷川 浩岩坂 泰信
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抄録
海洋に沈着した黄砂は、海水の化学組成を変動させ、海洋微生物群を消長に影響を及ぼす。しかし,その影響を直接的に実証した培養実験例は乏しい。そこで、本研究では、黄砂を海洋試水に添加する船上培養実験を実施した。黄砂は、富山県立山連峰の室堂平(2450m)において、春季に積雪断面調査を実施し、積雪のよごれ層から、黄砂鉱物粒子を含む積雪試料を採取した。また、比較のため、純白層の積雪試料も採取した。よごれ層の積雪試料は、粗大粒子密度が高く、高濃度の硝酸窒素が含まれていた。 紀伊半島沖合の70km地点で採取した海水に、よごれ層の試料を添加した海水では、硝酸窒素及び珪酸濃度が著しく減少するとともに、20μm以上の画分でChl.a濃度が著しく増えたため、大型珪藻類が生長促進されたと推察できる。また、細菌細胞密度の増大もみられ、超並列シーケンサーを用いて、細菌群集構造の動態解析も試みた。
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© 2014 日本地球化学会
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