抄録
冥王代(40億年前以前)唯一の“鉱物記録”として知られる、西オーストラリア・ジャックヒルズ変礫岩に含まれる砕屑性衝撃変成ジルコンから、初期地球における隕石衝突記録解読を目指しているが、これらの衝撃変成ジルコンは様々な程度にアニーリングを被っており、いわゆる“decorated PDFs”組織を示す。一般に砕屑性ジルコンは、後の時代の広域的な変成作用や、メタミクト化および低温での変質作用を被っている可能性があるため、これら二次的なプロセスを詳細に検討しつつ、砕屑性衝撃ジルコンからインパクト年代を推定することが重要となる。本講演では、Vredefort impact structureを横断するVaal Riverから採取した砕屑性砕衝撃変成ジルコン中に観察されるPDFsについて、微細組織観察およびLA-ICPMSを用いたスポット年代分析の検討について発表をおこなう。