抄録
地下深部での,マイナーアクチノイド(MA)の移行挙動を把握することは,高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価における重要な課題である。本研究では,MAのアナログ元素として希土類元素(REE)を利用し,REEの水-岩石間の収着挙動について調査した。REEを添加した地下水をカラムに通水し,通水後の地下水中におけるREE濃度を分析した結果,Yを除き,80%以上がカラム中の岩石粉末に収着した。逐次抽出法によりREE濃度を分析し,カラム内での濃度分布とREEの存在形態を検討した結果,カラム内では入口側から約6cmまでの範囲にREEが多く分布していた。また,REEの多くは水和酸化物態として岩石粉末に存在している可能性が考えられる。地下水に添加したREE濃度は,天然環境の約1000倍であり,今回の結果からは岩盤がREEに対して十分な保持能力を持つことが考えられる。岩石粉末に収着したREEの全量を抽出できていないため,今後は岩石粉末の分析を含めた検討を行う必要がある。