主催: 日本地球化学会年会要旨集
地球表層環境において、水溶液からのカルシウム炭酸塩は、準安定かつ短命な種を経てから生成することが指摘されている。したがってカルシウム炭酸塩生成の理解には、準安定かつ短命な種の生成・変質挙動の理解が本質的に必要であると考えられる。短命種の生成・変質条件を理解するためには、時間解像度の高い測定方法が必要である。減衰全反射赤外分光(ATR-FTIR)法は、溶液中に鉱物が存在する状態で鉱物を構成する分子の結合状態をその場で観察することができる。地球表層のほぼすべての水溶液は、主要陽イオン(Na, Mg, K, Ca)を高濃度に含む。このうちMgは短命種の生成や変質挙動に多大な影響を与えることが知られている。本研究ではATR-FTIR法により、Ca2+-Mg2+-CO32-溶液からの鉱物生成・変質のその場観察を試みた。