主催: 日本地球化学会年会要旨集
ケイ酸植物であるイネ中でのZnやCdの挙動を研究する上で、ケイ酸とZnやCdとの相互作用に関する研究が必要であると考えられる。本研究では、イネ中でのZnとCdの挙動に関する研究の一環として、シリカの溶解に及ぼすZnとCdイオンの影響について調査した。pH 5.5において、ZnとCdイオンが存在することでシリカゲルの溶解が促進された。しかし、シリカゲル上にZnおよびCdイオンは吸着しなかった。その促進は金属イオンの水和水の交換反応によるシリカゲル表面近傍での活発な水分子の運動によりシロキサン結合への水分子の攻撃の頻度が増加することに起因すると考えられる。pH 7.5の場合、Znイオンが存在する場合の方がCdイオンが存在する場合よりシリカゲルの溶解が促進された。Znイオンはシリカゲルに吸着されたが、Cdイオンは吸着されなかった。この結果とXAFSの結果から、シリカゲル表面上にZn/ケイ酸複合体が生成することで溶解が促進されたと考えられる。