日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 1P11
会議情報

G04 鉱物境界面の地球化学、水−岩石相互作用
シリカゲルの溶解に及ぼすZnとCdイオンの影響
*荒木 理成江藤 真由美川本 大祐大橋 弘範本間 徹生岡上 吉広横山 拓史
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

ケイ酸植物であるイネ中でのZnやCdの挙動を研究する上で、ケイ酸とZnやCdとの相互作用に関する研究が必要であると考えられる。本研究では、イネ中でのZnとCdの挙動に関する研究の一環として、シリカの溶解に及ぼすZnとCdイオンの影響について調査した。pH 5.5において、ZnとCdイオンが存在することでシリカゲルの溶解が促進された。しかし、シリカゲル上にZnおよびCdイオンは吸着しなかった。その促進は金属イオンの水和水の交換反応によるシリカゲル表面近傍での活発な水分子の運動によりシロキサン結合への水分子の攻撃の頻度が増加することに起因すると考えられる。pH 7.5の場合、Znイオンが存在する場合の方がCdイオンが存在する場合よりシリカゲルの溶解が促進された。Znイオンはシリカゲルに吸着されたが、Cdイオンは吸着されなかった。この結果とXAFSの結果から、シリカゲル表面上にZn/ケイ酸複合体が生成することで溶解が促進されたと考えられる。

著者関連情報
© 2014 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top