主催: 日本地球化学会年会要旨集
マントル条件における炭化水素の安定性と化学組成の変化を調べるため、最も単純な芳香族化合物であるベンゼンをモデル物質として、室温下での対向アンビルおよび高圧プレスを用いた 5 GPaから16 GPaまでの高圧実験を行った。常圧に回収した試料のGC-MS測定を行い、反応生成物の同定および定量化を行った。その結果、ベンゼンからの反応生成物は5 GPa, 10 GPaではほとんど検出されなかった。13 GPa以上ではベンゼンが残っている一方で二量体やナフタレン、ビフェニル、ターフェニルが見つかった。本研究の結果からベンゼンの圧力誘起の重合反応が明らかになった。